犬に下痢が起こったら?6つの原因と病院に行くタイミングや薬、食事の概要をご紹介
犬のウンチの状態というのは、健康状態を把握する大事な指標になるものですが、ドッグフードやストレスの影響で下痢をすることがあります。
人間と同様に、腸内の水分量が増えてしまうことで一時的に下痢を起こすことがありますが、何日も下痢が続いている場合は「原因はなに?」「なにか病気かも・・・」と心配になりますよね。
そこで、犬が下痢をする原因や病気の可能性、病院に連れていくタイミングなど飼い主さんの疑問を解決していきます。
目次
犬の下痢が心配・・・原因はなに?
通常、便というのは腸内で一定の水分量に調整されて外へ排出されますが、腸内のバランスが崩れることで水分量をうまく調整できずに下痢になってしまいます。
つまり、腸内のバランスが崩れた原因を探ることで、犬に下痢が起こっている理由を把握することができますが、腸内バランスが崩れる原因は、主に以下のようなことが考えられます。
- ドッグフードの変更
- 環境の変化やストレス
- 寄生虫の感染
- ウイルス・細菌の感染
- 内臓疾患
- 体質
よく聞く軽度のものもあれば、病気が関係している重篤なものまで、いろいろと原因がありますね。
では、なぜこれらが原因で犬に下痢が起こるのか詳しく見ていきましょう。
ドッグフードの変更
犬の下痢の原因でもっとも多いといわれているのがドッグフードの変更です。
新しいドッグフードを食べさせることで、今までとは違う原材料や成分値にお腹がビックリして下痢を起こすことがあります。
特に、犬が消化を苦手としている穀類や人工添加物が入っているときは、下痢になる確率は上がってしまいます。
「どうしてもフードを切り替えたい」というときは、お腹にやさしい素材が入っているものやグレインフリーのドッグフードに変えるのがいいでしょう。
また、そもそもフードを切り替えること自体が犬にとってはストレスになり、腸内バランスの崩れにつながることもあるので、ドッグフードの変更は慎重におこなったほうがいいでしょう。
環境の変化やストレス
新しい家に引っ越したり、季節の変わり目などでストレスを感じて、下痢を起こすこともあります。
人間でも今まで生活していた環境が変わると、多少のストレスを感じることがあると思いますが、犬もそれと同じです。
ほとんどの場合は、生活や環境に慣れることで下痢はおさまってきますが、ストレスによって腸内バランスが崩れるということをしっかりと理解しておきましょう。
寄生虫の感染
寄生虫が原因の犬の下痢には、「回中症」「鉤中症」「条中症」「フィラリア症」などが挙げられます。
特に仔犬に見られることが多く、寄生虫をもっている犬との接触や、食糞、誤飲などによって感染することがあります。
症状は、下痢のほかにも嘔吐があらわれ、基本的にその寄生虫を退治しないかぎりは症状がおさまることはないので、病院を受診するようにしましょう。
ウイルス・細菌の感染
ウイルス・細菌による犬の下痢の原因は、腸内細菌の乱れや食中毒などが挙げられます。
ウイルスや細菌に感染すると、それらを外に追い出すために下痢が起こります。
また、腸内には常在している細菌がいますが、食事やストレスの影響で常在菌が増えると、腸内バランスの崩れにつながってしまうことから下痢が起こってしまいます。
内臓疾患
内臓疾患による犬の下痢の原因は、「膵炎」や「炎症性腸疾患」「消化管腫瘍」などの病気の可能性が考えられます。
これらの病気に関しては、腸内バランスの崩れというよりは病気による影響で下痢になってしまいます。
この場合、当然飼い主さんが対処できることはありませんので、早急に病院を受診することをおすすめします。
体質
アレルギーが発症しやすかったり、アトピー体質の犬は、腸内環境が乱れやすく下痢が起こることがあります。
このような犬は、ドッグフードに含まれた添加物や穀類の影響をとても受けやすいため、日頃から与える食事には気を遣ったほうがよいでしょう。
また、病院でアレルギー検査を受け、なんの食べ物がアレルゲンになっているのか確認しておくのも大切ですよ。
犬の下痢が続いたときの病気の可能性は?
犬の下痢の原因を紹介しましたが、ドッグフードの変更やストレスの場合はそれほど心配する必要はなく、時間とともに症状がおさまることがほとんどです。
しかし、3 日以上犬に下痢が続いている場合は、病気を疑ったほうがいいかもしれません。
特に、以下のような症状があらわれたら病気の可能性がありますので、獣医師さんの診察を受けるようにしてください。
- 水便が 3 日以上続く
- 血便が出る
- ゼリー状の下痢が出る
- 下痢だけでなく嘔吐もしている
- 体が震えている
同じ下痢の症状でも、シャバシャバな水便のときは、腸内の水分量が異常に増えている可能性が考えられますし、血便にかぎっては腸に炎症・腫瘍などがある可能性もあります。
また、下痢にともなって嘔吐の症状や体の震えが見られるときは、明らかに体調不良になっていることが考えられますので、犬のウンチの状態と一緒に体の様子もよく観察しておきましょう。
犬が下痢をしたときは病院に連れて行ったほうがいい?タイミングはいつ?
犬に下痢が起こったときは、ある程度は様子を見ていてかまいません。
軽度な下痢なら 1~2 日でおさまってくるため、焦らずによく観察しておくことも対処法のひとつといえます。
しかし、上記で挙げた症状が見られた場合は、早急に病院に連れていくようにしてください。
「ただの下痢」と安易に考えていては、重大な病気を見逃してしまうとともに、進行がすすんでしまうことにもつながります。
寄生虫やウイルス性、内臓疾患で下痢が起こっている場合は、最悪命に関わってきますので、躊躇せずに診察を受けましょう。
犬の下痢に効く薬はどんなもの?飲ませてもいい?
犬が下痢をして病院に連れていくと、大抵は整腸剤や下痢止めを処方されます。
もっともよく出される薬は私たち人間でもなじみが深い「ビオフェルミン」ですね。
整腸剤なので、腸内バランスを正常に近づけてくれて、下痢の改善が見込めます。
また、寄生虫が原因で下痢が起こっている場合は「駆虫薬」、細菌感染の場合は「抗菌薬」、炎症性腸疾患や慢性腸炎などの場合は「抗炎症薬」、嘔吐も伴っているときは「制吐剤」が処方されることがあります。
ただ、注意してほしいのは、これらの薬はすべて「犬用」ということです。
整腸剤なら家にあるからと勝手に人間用の薬を飲ませると、副作用があらわれることがあるので、絶対に与えてはいけません。
また、それと同様に市販薬の購入にも注意が必要です。
大手通販サイトの楽天や amazon などには、動物用医薬品として「テスミン」や「ディアバスター錠」などといった下痢止めが販売されていますが、前述したように犬の下痢の原因によって処方される薬は違ってくるため、安易に市販の下痢止めを購入するのはおすすめしません。
あくまでも、犬に薬を飲ませるときは、病院から処方されたものだけにして、自分の判断だけで与えないようにしましょう。
犬が下痢をしたときは食事に気をつけよう
犬に下痢が起こっているときは、当然胃腸が弱っているため、ちょっとした食べ物でも刺激を与えてしまうことになります。
そのため、犬が下痢のときの食事には最大の注意をはらう必要がありますが、よくネットなどで「絶食させるのがいい」という情報を目にしたことはありませんか?
「いくらなんでも絶食させるのはかわいそう・・・」と考える飼い主さんもいるかもしれませんが、意外にも絶食は胃腸を休めるのに最適な方法といえます。
もちろん、半日~1 日程度の短期間なので、栄養失調になる危険性もなく、症状の回復が早まる期待がもてます。
水は脱水を防ぐために飲ませる必要がありますが、軽度の下痢のときは効果的なので、試してみるのもいいでしょう。
また、絶食後はいきなりドライフードを与えるのは刺激になってしまうので、消化にいいものを与えるのがおすすめです。
ドライフードを与えたい場合は、お湯でふかすなどして柔らかくするのがいいですよ。
【まとめ】犬の下痢をケアするためにはサプリもおすすめ
ここまで、犬の下痢の原因や病気の可能性について解説してきましたが、大事なのは下痢が起こらないように日頃から腸内ケアを心がけておくということです。
おやつや人間の食べ物は極力与えずに、ドッグフードも添加物や穀類が入ったものではなく、プレミアムフードなどを与えるのがいいでしょう。
また、毎日のケアとしてサプリメントを利用するのもおすすめです。
最近は、犬用のサプリも続々と販売されており、フードだけでは足りない栄養を補うのに最適といえます。
腸内バランスをサポートし、下痢のケアに向いているものもたくさん販売されているので、1 度試してみるのもいいですよ。